フラグを折られた話のおまけ

 次の日。緑間の携帯電話に、こんなメールが来た。


from:黒子テツヤ
件名:会いましたか


僕のカノジョ、可愛いですよね




「やはり……、やはり奴は好かん!」
「ちょ、真ちゃん!? めっちゃ殺意が迸ってんだけど! 何があったの?」
「俺にも分からないのだよ! だが、無性に腹立たしいことなのは確かだ」
「ええー、マジかー!」

 緑間は一言、こう送った。

To:黒子テツヤ
件名:Re:


やかましいのだよ




***


「黒子君、これあげる」
「何ですか、これ」
「緑間君にクッキー作ったから、黒子君にもあげるね」
「ありがとう、……ございます」
「なんか、ついでみたいな感じでごめん。リクエストしてくれたら、今度作るよ」
「考えてみます。ところで、緑間君と会えたんですね? 知り合いだという話を聞いて、驚きました」
「うん、ちゃんとハンカチ返せたよ。クッキーも受け取ってくれたしね」
「あの。今度から、泣くのは僕の前だけにしてくださいね」
「え、」
「泣き顔も、照れてる顔も、全部僕だけのですから」

 私らの前でイチャつくのやめてと、の友達の言葉が飛んでくるまで、あと5秒。