雑記

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ネタ帳から発掘した亀甲さんと審神者の話

「ご主人様っ」
「ひぎゃあっ!?」

 亀甲なんてないさ、亀甲なんて嘘さ。寝惚けた私が見間違えたのさ。
 私何も見てない。絶対見てない。部屋を開けた瞬間縄で縛られている亀甲貞宗さんがいたなんて嘘だ。速攻戸を閉めちゃったけど、そんなん嘘だ。

 だけどちょっとだけどちょっと、これはまさしく現実だ……?

「南無三!」
「ご主人様っ!」
「うわやっぱりいたんですけどーーー!!」

 もう一回戸を開けたら、ゼロ距離で亀甲さんが目の前にいた。近過ぎるんだけど! 鼻と鼻ぶつかるんだけど! 心臓飛び出すかと思った!
 縄で身体全てをグルグル巻にされ、まるで芋虫のようにくねらせて畳に立っているのだけど、どんな技術で直立出来るのか教えて欲しい。っていうか、誰が彼を縛ったのか。むしろ自分で縛ったの?

 いや、それより。

「何で、亀甲さん、いるの」
「ご主人様のことを知りたいから、まずはスキンシップというものを図りたくてね。まずは相手を理解することから、全ては始まるんだよ?」

 彼は目を異様にキラキラさせて答えた。

「あ、そう」
「いいよ、ご主人様。その目、ゾクゾクしてきた。もっとぼくを攻めるように向けて欲しいな」
「もうやだこいつ……」

 亀甲貞宗さんはつい最近、政府から調査を依頼された時代にて、偶然手に入れた刀剣男士だった。顕現させた時は、穏やかで優しそうで、一期一振さんのような物腰の柔らかな雰囲気だったから、大人しい性格なのだろうと油断していた。

 でも、こうして本丸で暮らしてみて分かってきた。この刀、今までにないタイプだ。
 発言が乱君や青江さん以上に妖しくてギリギリアウト。痛みを与えられるのが好き。縛られるのが好き。命令に喜ぶ。

 これは……、亀甲さんは……、真性のMだ。ドが付くヤツの。こんなストレートに性癖を曝け出して来た人、初めてだ。

「言葉攻めの練習なら、喜んで付き合うよ」
「いや、いい……」

 仲良くなりたいと言われたのは嬉しいよ。だけど、もっと違う方法あるよね。根は真面目でいい人なんだけどなあ……。むしろ明石さんなんか、愛染君や蛍丸君をけしかけてもだらけ三昧だから、見習って欲しい。

「亀甲さん」
「どうしたんだい?」
「どうしたもこうしたもないよ。私、あなたのプレ――あなたの趣味には付き合えないよ? 忙しいもの」
「放置プレイでもぼくは平気さ。むしろ新鮮だよ」
「メンタル鋼か」

 さすが玉鋼から作られてるだけあるなー。ははっ、現実逃避したいなー。

 恐らく遠い目になっているだろう私の前で、亀甲さんは何を感じたのか、畳に腹這いになって私の足元へにじり寄って来た。うわ、何何何何っ!?

「亀甲さん!?」
「大丈夫。ご主人様をこの角度から見上げることによって、色々高まるんだ」
「高まらなくていい! ハァハァ言わないでよ!」

 もう、どうしよう。この人をどう扱えば良いんだろうか。いっそ私がSにでもなればいいのだろうか。いや、そんなのお断りだ。

 私は審神者なのだし、一応今の持ち主なわけだし、色々頑張っていかなきゃいけないのだけど。これ、頑張りたくないなあ。

 なんて考えていれば、足に何やら柔らかい感触が。恐る恐る視線を下げれば、亀甲さんが私の足に――足の甲にキスしていた!

「ちょ、亀甲さんんんん!?」
「ご主人様、」

 愛おしそうにまたキスするものだから、私は恥ずかしくなってしまった。嫌悪感がないのは、彼の見た目がいいからなのか、なんなのか。

「ふふ、よろしくねご主人様」

 恍惚とした表情で見上げられて、私はひくりと顔を引きつらせた。亀甲さんのうっとりした様子が癖になったとか、そんなの絶対あるわけない。畳む
ネタ帳から発掘した一期一振と審神者の話

 弟との手合わせを終えた私は、玄関先からのにぎやかな声で、主殿が帰還を知った。お迎えに上がるため玄関へ向かえば、ちょうど彼女と遭遇した。

「お帰りなさいませ、主殿。……失礼ですが、御髪が乱れております」

 外出から帰ってきた我が主の髪は、酷くぐしゃぐしゃになっていた。外は風が強かったようだが、ここまでくれば芸術的だと感度すら覚える。

「一期ただいまーって……本当!? やだっ、恥ずかしい」

 彼女はすぐさま羞恥に頬を赤く染め、顔を手で覆ってしまった。なんとも可愛いらしい。

「供の刀剣男士は、指摘なさらなかったのですか?」
「うーん、実は本丸まで競争したの。早く誰が着けるかって。今剣と岩融とね。あの2人、手加減なしで走ったから、私が最後だったわけで……。ビリのまま本丸に到着したのよ」

 そして、本丸に到着して真っ先に出会ったのが私だったようだ。なるほど。それならば、誰も指摘してはくれない。

「僭越ながら、私が整えてもよろしいでしょうか」
「いいの?」

 私の提案がお気に召されたらしく、主殿は弾かれたように手を顔から退けた。

「弟たちの髪を毎朝梳いておりますから、慣れたものです」
「決まりね、お願いっ!」

 すぐ様主殿の自室へ移動した。主殿は化粧台から、いつも使っている櫛を私へ差し出し、

「一期、よろしくね」

 後ろを向いて畳に正座した。

「かしこまりました」

 私はうなずき、彼女の後ろへ座った。意外に距離が近い。そういえば、と思う。主に触れるのは初めてのことかもしれないと。主殿は幼い容姿の刀剣男士と手を繋いだり軽く抱きしめ合ったりするのだが、彼女の年齢に近い容姿の刀剣男士とは、そのようなことをしない。恥ずかしいのだそうだ。

 乱れた黒髪にそっと左手を添え、ゆっくりと櫛を入れる。

「痛くはないですか?」
「平気」

 ゆっくりと、櫛を下へ滑らせていく。絡まりがあるので途中で引っかかった。優しく、赤子をあやすように、丁寧に髪を梳く。

「一期、丁寧で上手いね」
「お褒めいただき、ありがとうございます。弟たちにいつもしていることが、役に立つとは思いませんでしたな」
「面倒見のいいお兄さんね」

 そう言われると、とても胸が暖かくなる。胸に火がぽっと灯ったような気がする。主殿の言葉は、私をいつも元気づけてくれる。

「あのね、」
「何でしょうか」
「うちって近侍ローテーションにしたじゃない?」
「そうですね。皆、平等にと」
「……うん。私が決めたことだけどね、私、いつも一期が近侍になる日が楽しみなんだよね」

 思わず手が止まってしまった。主殿の顔は見えない。私の手で整えた黒髪だけが、目の前にある。

「楽しみ、ですか……?」
「うん。落ち着くんだよ。粟田口のお兄さんだからかな? いや、頼りになるからかな?」

 くすくすと楽しそうに笑う。

「私にお兄さんがいたら、一期みたいな人がいいなあって思う」

 ――お兄さん。

「主殿のような妹がいたら、私は……」

 あなたが妹であったら、私は少しだけ、がっかりするだろう。
 あなたは妹、というよりはむしろ……。

「どうしたの?」
「いえ、何も。楽しいと思います、主殿か妹であったら」

 再び手を動かす。もう十分髪は元通りになったけれど、もう少し触れていたかった。

 主殿に気付かれないよう、私は彼女の髪を指で掬って口づけた。

「お慕いしております」

 小声で呟いたそれに、彼女が気付くはずもなかった。

 この気持ちは、きっと恋に似ているのだろう。

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非合理的恋愛の夢主のヒーローネーム由来
ヒーローネームは変換しないと「イシュカ・ジェリー」。

スライムとはいえ、水よりの能力かなあとか色々ネーミングで調べていたところ、

アイルランド語でウイスキーは「Uisce Beatha イシュカ バハ」。 Uisce=水 Beatha=生命 という意味があります。

という文章を発見しました。(サイトによっては「ウシュク・ベーハー(生命の水)」の記述もありましたが)

とはいえ、夢主は人命救助で活躍するヒーローですし、ウィスキーの言語由来の話ですが「命の水」というのは良い響きだなとと思ったので、この「イシュカ」を由来としました。

ジェリーは単純にスライム連想でした。

…という小ネタを呟いておきます。畳む

そういえば、初めてオンラインイベントに参加します。
展示だけですが…。個人サイトに来ている方はそんなにいないのですが、一応ここのメモでもお知らせしておきますね
あとで詳細も載っけます
今日ホワイトデーでしたね
だからといって何もないんですが
ホワイトデーかぁ…
書き忘れていたので追加しています

2024/02/27
pkmn『オマ声』に1話、『原作改変無理推CP』2話更新しました
2024/02/25
サイトの模様替えをしました
pkmnとtwstのSSを追加しました
最近discordで鯖立てたんですが
そこに入って何かしらの作業すると集中しやすくて、いいなと

そんな最近の報告です